『イマジペディア〜幻界異想短篇集』《ナイトランド叢書JA》01 (間瀬 純子)

海外が先に見出した異才、間瀬純子。 待望の作品集! 〜歪み真珠のごとく、絢爛豪奢にして、グロテスクな美学〜

怪奇幻想小説から傑作を選りすぐり、ホラー愛好者に贈るナイトランド叢書。
日本作家レーベルJAの第一弾!

海外が先に見出した異才、間瀬純子。
待望の作品集!

〜歪み真珠のごとく、絢爛豪奢にして、グロテスクな美学〜

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 食堂と外を区切る扉が開くと、子供たち全員がすくみあがった。ヴァイオリンも止む。
 お父さんが帰ってきたのだ。金色の無精ひげを生やしたお父さんは、ワイシャツのボタンをいくつもはずした、だらしない格好をしている。お父さんにそんなことを言った子がいて、刺の生えた鉄を食べさせられ殺された。
 お父さんは手を挙げ、朗々とした声で子供たちとお母さんたちに呼びかけた。
 「今日は新しいお父さんを連れてきたぞ」
 お父さんはその人の肩を抱き寄せ、戸口の正面に引っ張り出す。お父さんともつれあうようにして、黒い髪で浅黒い肌の、怖い目つきの男の人が現れた。ハンサムなのかもしれない。けれど黒い髪の人は、生まれながらに罪深い、劣った人たちだとお父さんはいつも言っていたのに。
 「新しいお父さんの子供たちだ」
 いっせいに、黒い髪の、黒い服を着た子供たちが何十人も駆けこんできて、みっつの食卓の檻に手当たり次第にもぐり、残った皿を取って舐め始めた。
 ジャンニがわたしの顔を覗く。「ジニ、俺たちももう最後の食卓に行かなくちゃ」
 わたしはもう何も食べる気がしなかった。
――「死の谷」より
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間瀬純子作品のどれもが、
家族・血脈・過去・歴史の影が侵食していく
現在に喘ぐ者を描きながら――
その文章が、描き方が、あまりにあざやかだ。

同時に、それまで書かれたあらゆる
幻想文学、ポストモダン文学、SFとも趣を異にしている。

オルタナティヴ・ファンタスティカとでも
呼ぶべきかもしれない。
――井上雅彦

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ホラーと現代文学が
最先端において融合した短篇を読みたい――
あなたにそんな希望があるなら、
まさに本書こそがその答えになるだろう。
――岡和田晃

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間瀬純子の作品は、極私的にして幻想性に富み、
忘れ難い衝撃をもたらした。

ミルフィーユのように、読む者の脳内に
快楽物質さえ分泌させるような恐怖と苦痛が
何層にも積み重なる形で精巧に作り上げられている。
――シャーニ・ウィルソン(「死の谷」英訳者)

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間瀬純子は、リアリズムを超克し、文体を磨き、
イメージの強度を高め、凝集性のある短篇を世に送り出した。

そして、歪み真珠のごとき絢爛豪奢にしてグロテスク、
暗黒の美学を感じさせる文飾が無二の世界を構築し、
苦みのある愉悦を読者へともたらすことに成功した。
――岡和田晃

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◎目次
死の谷
オーロラの海の満ち干
北極星
血の城
卵巣後宮
雷のごとく恐ろしきツァーリの製本工房
3=1 魂の部屋
イマジペディア
少女精霊顕現
赤水境の聖女
金星、地獄の動物園

解説◎ホラーと世界文学が最先端で融合した、間瀬純子の幻夢境/岡和田晃
(公式サイト)

書籍名:

『イマジペディア〜幻界異想短篇集』《ナイトランド叢書JA》01

著者:

間瀬純子

解説:

岡和田晃

帯:

井上雅彦、岡和田晃、シャーニ・ウィルソン

表紙画像:

ミハイル・ヴルーベリ

発行:

アトリエサード

発売:

書苑新社

発売日:

2026年09月25日

判型/ページ数:

四六判/256ページ

価格:

本体2300円+税

ISBNコード:

978-4-88375-589-9