『戦をせんとや生まれけむ』
鎌倉一の洞察力に優れた武士「梶原景時」が見つめた、「峻烈の人」頼朝×「戦の申し子」義経
天は晴れ、潮の匂いが濃かった。
しかし濃密な潮風をもってしても拭い消せぬ異臭が、浜に置かれた黒漆の櫃からは溢れ漂っていた。
義経の首級は美酒に浸され、櫃に封じこめられているのだった。
(ぶざまではないか。みじめではないか)
景時の胸にこみあげるものは、不思議な怒りであった。
(あれほどの天賦の才を……)
景時は、くやしかった。
なぜ、九郎義経は、死ななければならなかったのか。
(本文より)
これまで義経を讒言した悪役とされてきた景時に光を当て、頼朝と義経の新たな姿を描く歴史小説、ここに誕生。
(Amazon紹介文より)
書誌データ
- 書籍名:『戦をせんとや生まれけむ』
- 著者:若木未生
- 装画:佳嶋
- 装幀:芦澤泰偉
- 出版社:祥伝社
- 発売日:2022年3月11日
- 判型/ページ数:四六判
- 価格:本体1600円+税
- ISBNコード:978-4396636203
- Webサイト:『戦をせんとや生まれけむ』 | 祥伝社