『戦をせんとや生まれけむ』

2022年3月11日発売 | 若木未生(著) | 祥伝社

鎌倉一の洞察力に優れた武士「梶原景時」が見つめた、「峻烈の人」頼朝×「戦の申し子」義経

『戦をせんとや生まれけむ』カバー

天は晴れ、潮の匂いが濃かった。
 しかし濃密な潮風をもってしても拭い消せぬ異臭が、浜に置かれた黒漆の櫃からは溢れ漂っていた。
 義経の首級は美酒に浸され、櫃に封じこめられているのだった。
(ぶざまではないか。みじめではないか)
 景時の胸にこみあげるものは、不思議な怒りであった。
(あれほどの天賦の才を……)
 景時は、くやしかった。
 なぜ、九郎義経は、死ななければならなかったのか。

(本文より)

これまで義経を讒言した悪役とされてきた景時に光を当て、頼朝と義経の新たな姿を描く歴史小説、ここに誕生。
(Amazon紹介文より)

書誌データ

  • 書籍名:『戦をせんとや生まれけむ』
  • 著者:若木未生
  • 装画:佳嶋
  • 装幀:芦澤泰偉
  • 出版社:祥伝社
  • 発売日:2022年3月11日
  • 判型/ページ数:四六判
  • 価格:本体1600円+税
  • ISBNコード:978-4396636203
  • Webサイト:『戦をせんとや生まれけむ』 | 祥伝社