『エスパイ』
小松左京の超能力SF『エスパイ』
超能力を持つスパイの活躍を描く『エスパイ』は、小松左京の3作目の長編にあたり、2015年6月に発刊50周年を迎えますが、このたび、生賴範義先生による1978年の角川文庫版オリジナル表紙で電子書籍として蘇りました。
小松左京の作品で最もエロチックと言われている『エスパイ』。
生賴範義先生が描く表紙は、ゴージャスでセクシー、そしてスパイ物らしく緊迫感あふれた素晴らしいものです。
また、小松左京の没後に発見された『エスパイ』の創作メモも電子書籍に初掲載されました。『エスパイ』は、スパイが活躍する物語ですが、当時の小松左京は、スパイ小説や映画には、ほとんど興味を持っていませんでした。興味がない上に編集者の要請によるエロチックシーンや活劇シーンといった描写への取り組み、そして、SFをいかにして理解してもらうかの葛藤と苦労の連続だったようです。創作メモには、スパイ小説に興味のなかった小松左京が、SFとスパイ物の融合に苦労した跡が垣間見えます。
(小松左京ライブラリ)
書誌データ
- 書籍名:『エスパイ』
- 著者:小松左京
- イラスト:生賴範義
- 出版社:角川書店
- 発売日:2015年1月28日
- 判型/ページ数:電子書籍/392ページ
- 価格:本体640円+税
- ISBNコード:9784041308141
- Webサイト:『エスパイ』 | 角川書店