日本SF評論賞概要

2007年12月23日

趣意書

「SF評論」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるでしょう。

そのイメージの大半はおそらく、新聞雑誌の書評や文庫の解説によって、かたちづくられてきたのではないでしょうか。しかし世界がSFと化してしまった現在、きわめてクリエイティヴなSF的想像力を創作以外の形式で発揮するものが増大するようになったのも、疑いえません。

SFが小説から映像、音楽まで多くの表現形式を獲得してきたように、SF評論もまた、創作以外の多くの領域をカバーするもうひとつの表現形式として、評価されるべき時代が到来しました。伝統的な文芸評論の枠には収まらなくとも、独自の作家論や作品論、伝記、ノンフィクション、超科学研究、はたまた映画やマンガやアニメ、現代芸術、さらにはそこに惹きつけられる感性自体を中心とした文化研究に至るまで、SF的想像力あふれる書き手は、今日決して少なくありません。

そこから新世紀を担う才能を、日本SF作家クラブは積極的に発見し発掘していきたいと考えています。